イラストレーター:小笠原庸介
長時間のデスクワークが
及ぼすリスク
近年、企業で問題になっていることがあります。「アブセンティーイズム(病欠などの時かかる医療費)」より「プレゼンティーイズム(出勤しているものの体調不良で業務効率が低い状態)」が大きいことがわかってきたのです。
長時間の座り作業が続くと下半身の筋肉の動きが減ります。ふくらはぎの筋肉は下半身の血液を心臓に戻すポンプの役割をしていますから、座りすぎは血流の悪さや代謝の低下に直結し、脳梗塞、高血圧、心臓疾患、糖尿病、認知症、がん、うつ病などの要因になります。世界保健機関(WHO)は、過剰なデスクワークが「世界で200万人もの死に関連している」と告げています。
平均寿命と健康寿命
多くの職場で年に一回の健康診断が行われていますが、筋肉や骨格の不調は項目にはないので、不調があってもほとんどの場合放置されます。不調を抱えてる本人も重症化しなければ医療機関へ行くことはないので、結果的に慢性化しているケースは少なくありません。
筋骨格系の不調は放置すると全身の健康に影響を与えます。日本は長寿国として知られていますが、「健康寿命」とのギャップも問題視されている側面もあります。生涯にわたって自立して活動できることは、本人にとっても家族にとっても幸福のための大きな要素です。
デスクワーカーの座り時間
大手企業の社員に向けたアンケートによると、一日の中で座っている時間の平均は12時間という結果が出ています。これは言い換えると、人生の半分を座って過ごすことになります。
デスクワーカーが抱える症状
長時間のデスクワークは下半身の大きな筋肉が動かないことによって、血行や代謝が低下し、様々な疾患に繋がることは多くの研究でわかっています。例えば、糖尿病や肥満に関して言うと、食生活や運動量、喫煙だけでなく長時間座ることも影響しているというデータもあります。また、デスクワークが2時間増えるごとに肥満は5%、糖尿病は7%発症が増えるほか、血行が悪いと血液はドロドロになり、脳梗塞や狭心症、心筋梗塞のリスクが上がっていきます。
人の体は
デスクワークに不向き?
ストレートネック
人間は前を向いて作業していると自然に猫背になる傾向があります。人間の頭は5~8kgもあり、人体の中では大きな比重を占めています。背骨はその負担に耐えるために自然な状態ではS字を描いているのですが、座っている時間が長いとこのバランスが崩れていきます。
猫背になっていると自然なS字が失われて、筋肉や椎間板、内臓、神経などに負担をかけます。やがては頸椎のカーブが無くなってストレートネックになり、頭部を支えることが難しくなりますから、首や肩に慢性あるいは急性の障害が出たり、上半身のしびれなどを発症することもあります。
ストレートネック
セルフチェック
※5つ以上当てはまる方は専門機関にご相談ください。
- 1日の座り作業が5時間を超える
- 1日に1時間以上スマホを見る
- ノートパソコンで仕事をしている
- 仰向けで寝るのがつらい
- 首の左右の可動範囲が狭い
- 首をそらすと痛みがある
- 座っているときに首や肩がこる
- 疲労すると頭痛が起こる
- よく猫背と言われる
- 一日の歩行時間が30分未満である
骨盤アーチの崩れ
骨盤のアーチ構造は石橋の構造と同じです。アーチ構造にすることで上からの重さを分散することが出来ます。また、地面からの反発力が仙骨に伝わり2つの力が集まり上に持ち上げるような力が働きます。つまり骨盤がゆがむと身体を支えられなくなり、腰痛などの原因になります。
デスクワークの時間が長くなると、いつの間にか猫背になったり、背もたれに寄りかかって仕事をしてしまうことが多いと思います。これは身体が疲れてきたときに自然と楽な体勢を探しているからなのですが、長期的に見ると背骨の自然なアーチが崩れて健康上の問題が発生します。
骨盤アーチの
セルフチェック
※5つ以上当てはまる方は専門機関にご相談ください。
- 一日8時間以上デスクワークをしている
- 足を組んで座ってしまう
- 歩いているとスカートが回ってしまう
- 左右の靴底の減り方が違う
- 片足立ちをするとふらついてしまう
- 便秘・下痢・生理痛などがある
- 上向きで寝られない
- 足、腰に痛みがある
1upカイロプラクティックでは土台を整えて姿勢を改善させます。
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骨盤アーチの矯正
長時間の座位で崩れてしまった骨盤アーチを矯正します。
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脊柱の矯正
猫背の矯正から巻き肩、ストレートネックの矯正をします。
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筋バランスの調整
緊張している筋肉をゆるめて筋肉のバランスを整えます。
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座り姿勢の改善
正しい座り方の指導と会社、自宅でできるエクササイズ・ストレッチ等アドバイスします。