-
繰り返すギックリ腰
症状
40歳 男性。デスクワーカー。20年以上の慢性的な腰痛で年に1.2回ギックリ腰になる。
2日前から腰に違和感があった。デスクワークが多く、椅子から立とうとした時に左腰にズキっとした鋭い痛みが起こりそのまま動けなくなってしまった。腰は少し前に曲がったままで真っすぐ伸ばせない。逆に痛くて深く曲げることもできない。前屈、動きはじめ、寝返りも痛い。 -
施術内容
左の腰仙部に痛みがあり真っすぐ立てずに少し前かがみで来院。
過去にMRI検査を受けたが異常はみられなかったという。
バランスをみると骨盤のゆがみが強く左の骨盤に重心が上手く載せられない状態だった。筋緊張も強く特にインナーマッスルである多裂筋の緊張が強い。
また、左腰をかばっているため右の骨盤から股関節の動きが悪くなり、さらに骨盤のゆがみを強くしていた。緊張した骨盤周りの筋肉をゆるめることからはじめ、骨盤、股関節の関節軸を調整した。
3回の施術で90%改善。違和感がのこるため継続治療中。
さらに詳しく
多裂筋は横隔膜、骨盤底筋群、腹横筋と合わせてインナーマッスルといわれ、体幹を支える筋肉の1つで、腰痛に大きく関係しています。
多裂筋は、首から仙骨まであり2~4個の椎骨をまたぎます。
脊柱の伸展、回旋、側屈の作用もありますが、
主に椎骨(背骨の1つ1つの骨)を安定させることが一番の役割です。
特に仙骨から腰にかけての多裂筋は、脊柱を支えるために強力で重要な筋肉です。
例えば、走る時に身体がブレない様にします。
また、野球やゴルフなどのスイングをする際にブレないようにする動作にも多裂筋が働いています。サッカーやラグビーなどのコンタクトスポーツでも身体を支えています。
人間は動こうとする前にインナーマッスルを筋収縮して背骨を安定させてから動きます。
このため、特に多裂筋が働かなくなると背骨は不安定となり、腰痛の原因になります。
多裂筋が原因の腰痛の特徴
前屈する時の動き出しが痛い。
椅子から立つ時が痛い。
朝は腰が不安定。日中は楽になる。
ぎっくり腰を繰り返す。
慢性腰痛。
多裂筋は深部にあるため一度凝り固まるとなかなかゆるまないことが多いです。
放置すると筋委縮や機能低下が起こりしつこい腰痛の原因になります。
また、多裂筋は骨盤(仙腸関節)も安定させているので仙腸関節痛の原因にもなります。
改善にはまず凝り固まった多裂筋をしっかりゆるめてことが大切です。
その後エクササイズで筋肉を活性化させることも重要です。